敢えて在野に身を置いた、中国の科学者や文学者たち──劉賓雁、方励之、高行健、鄭義、厳家祺、楊煉、哈金、廖亦武、老木などの国外亡命者に加え、劉暁波やツェリン・オーセルなどの国内にとどまりながら飼い馴らされない文学を貫いた、言わば国内亡命者を取り上げ、母国の大地から自らの根を引き抜いた「強者としてのデラシネたち」の死地的状況下での覚悟と思想を分析する。
本書の装幀制作にあたって、すぐに想起されたのはアンドレ・ジイドの「デラシネ論争」だった。移植されることでより強靱な植物になる「強者としてのデラシネたち」。それは葉脈のように分岐しながら継承され、さまざまな異国で芽吹き、大樹となって根を下ろす。
迷うことなく装幀のイメージが決定した(私としては)珍しいケース。