デジタルで和紙ふうのテクスチャーを作り、色違いに重ね合わせることで、山脈を描いてみた。理想のシステムへ至るまでの長く険しい道のりのイメージ──。重くなく、それが伝われば嬉しいのだが。
本文は、私が極めて苦手とする「横組み」である。
いまだかつて満足のいく美しい横組みを組めたためしがない。仮名文字は縦に書くためのものであり、それを横に並べて美しかろうはずがない。解決策のひとつである横組用仮名にしても、ただ横太りにさせただけの奇妙な代物に過ぎず、結局のところ、欧文のプロポーショナルが何百年もの模索の時間をかけて「詰めの最適解」に辿り着いたように、仮名のプロポーショナルもまたそれに等しい時間が必要なのかも知れない。