国際政治関連書籍のカバーといえば、国旗や政治指導者の顔写真、国会議事堂やホワイトハウスなどの代表的政治関係施設と相場が決まっている。同じことをやっていると類書との差別化ができないし、何より作り手としてのモチベーションが上がらない。
本書のテーマは米中関係史である。誰もまだ描いていない、米国と中国のシンボルはないだろうかと思案し、ふと閃いたのが両国の「国獣」だった。
フォトコラージュのベースにしたのは米国18代大統領ユリシーズ・グラントと当時の中国総督李鴻章(1879年、梁时泰での対談時)の写真である。米国=ハクトウワシ、中国=ジャイアントパンダは比較的知れわたっているので使えると判断した。
ちなみに日本は公式な国獣を定めていない。非公式でキジが挙げられるが、国家イメージとして国外はおろか国内でさえ周知されていない。