風邪見鶏

発行日:2019年02月08日

赤血球に罪はないが、伝染病がテーマであるなら、この本はもう赤くなるしかないと思った。発熱と狂奔の赤。閉塞感が世界を覆い、人々の裡に、いわく言いがたい怒りやストレスが渦巻く、その激しい内燃の赤。背表紙も真っ赤に染めたいところだったが、予算の都合上、特色一色では難しく、ファーストヴィンテージのスカーレット色の紙に墨色のみで抑えた。

資料写真を数多くいただいたが、一目でテーマが分かるものは、やはり「マスク」をした人々だった。最初は安直に「風見鶏」を描いてみたが、いくらなんでも安直過ぎるので没にした。次に、メディコ・デッラ・ペステ(欧州でペストが流行ったときにペスト専門に治療したペスト医師)の姿絵を使う案が浮かんだが、日本での周知度が今ひとつであるように思われ、これもまた没にした。

書肆データ

  • 書名:風邪見鶏(かざみどり)
  • 副題:人類はいかに伝染病と向き合ってきたか
  • 著者:三宅善信
  • 発行:集広舎(2019年02月08日)
  • 判型:四六判/並製/208ページ
  • 造本設計:玉川祐治

造本データ

  • カバー:Mr.B 四六判/Y目 135K ホワイト
  • 帯:Mr.B 四六判/Y目 135K ホワイト
  • 表紙:ファーストヴィンテージ 46/Y 206k スカーレット
  • 本扉:Mr.B 四六判/Y目 110K ホワイト
  • 見返し:ファーストヴィンテージ 46/Y 103k スカーレット
  • 本文紙:b7 ナチュラル 46/Y 79K