命の嘆願書

発行日:2023年08月23日

命の嘆願書

総頁数1296、厚み72mm、重さ約1.4kgの鈍器本。
最初は上下巻分冊を考えていたが、それでも1巻あたり600ページを超える大部になるので、いっそのこと鈍器本にしてしまえ、ということになった。調べていないので断定できないが、辞典類を除いておそらく過去最厚の単行本ではないかと思う。

装画は分かる人には分かると思うが、本書に登場する日本人たちと同じくシベリアに抑留された画家・香月泰男へのオマージュである。二十代の頃、山口美術館で香月の連作絵画「シベリア・シリーズ」に圧倒されたのがきっかけで、彼の著書『私のシベリア』を読み、日本の戦争史に「シベリア抑留」という事件があることを知った。本書の制作を依頼されたとき、まだ原稿をいただいていない段階にもかかわらず、装画には香月へのオマージュをと心に決めたものである。

なお、本書の発行日(8月23日)は、1945年、スターリンが日本人の強制連行を極秘指令した日に因んだ。二度の原爆忌があり、敗戦の日があり、シベリアの日があり、日本の八月は暑いだけでなく、重い。

書誌データ

  • 書名:命の嘆願書
  • 副題:モンゴル・シベリア抑留日本人の知られざる物語を追って
  • 著者:井手裕彦
  • 発行:集広舎
  • 判型:A5判/上製/1296ページ
  • 図書設計:玉川祐治

造本データ

  • カバー:アラベール 菊/T 90.5kg スノーホワイト
  • 帯 :同上
  • 表紙:同上(特色/日本の伝統色・紺鼠)
  • 本扉:アラベール 菊/T 76.5kg ウルトラホワイト(特色/日本の伝統色・紺鼠)
  • 見返し:NTラシャ うす藤 四六判Y目 100kg
  • 本文紙:淡クリーム琥珀 A/T 43kg